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虫よけ

 ちょっと目を離すと雑草が生えてくる季節です。お寺での労働を作務と言いますが、作務の中心が草取りや掃除になってくる季節です。そしてしゃがみこんで作務をしていると、蚊に悩まされる季節でもあります。
 先日、あるアウトドア用品のお店で、写真のようなオニヤンマの模型を見つけました。これを帽子や服などに安全ピンで付けておきますと、天敵である本物のオニヤンマを恐れて、蚊や蜂などが寄ってこないとか。これは不殺生を戒めとする仏教らしい虫よけと言えるかもしれません。
 皆さんは払子(ほっす)というものを御存知ですか? お葬式のときに真ん中にいる導師が手にしている、棒の先に白くて長い毛がたくさん付いている仏具です(先代の遺影をご覧ください。手にしています)。これは今ではほぼ葬儀のときにしか使いませんが、実は虫除けであり、蚊などを殺さずに追い払うために使われていた道具でした。それが次第に不殺生の戒めのシンボルとなり、またひいては葬儀に使われるまでになったというわけです。そう考えると、このオニヤンマの模型も、ひょっとしたら二千年後くらいには、仏具となっているかもしれませんね(笑)。
 ところで気になるその効能ですが、家内が付けまして庭に出ましたところ、一切効果は感じられなかった、とのことでした。あらら残念…。でも一応私も、明日にでも試してみましょう。

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