少し前のことですが、新聞の訃報欄に、私が小学校二年生のときの担任の先生のお名前を見つけました。一年間だけ担任していただいたのですが、とてもおだやかで、温かく、優しい先生で、本当にお世話になりました。「あきちゃん、あきちゃん」とかわいがっていただいたことを今でもはっきりと覚えております。
私が昼休みに、楽しそうに本を読んでいる様子をおたよりに書いてくださり、母に宛ててくださいました。また毎日の日記付けを奨励され、翌日に提出すると必ず一言いただくことができました。そのおたよりと日記は今でも手元に保管してあります。
幼稚園の園長になってからもご縁があり、数度、一緒にお仕事をさせていただきました。そのときにも優しい笑顔で、「地域の子どもたちのために一緒にがんばりましょう」とお声を掛けてくださいました。
葬儀は近親者の皆さまでとのことでしたので、お通夜にうかがわせていただきました。少しやつれたお顔で、またお化粧も濃いめにされていましたので、あるいは闘病が長かったのかなと案じました。最後が安らかであったならよかったのですが…。
喪主である息子さんにごあいさつし、「小学校二年生のときに担任していただきました」と自己紹介いたしましたら、「そんな昔のご縁で来ていただけて、本人も喜んでいると思います」と言っていただき、不覚にも涙がこぼれました。
帰ってから先生に献杯し、一杯飲んでいるときに家内に先生の話を聞いてもらいました。こういうときに聞いてくれる人が身近にいることの幸せを感じました。
恩師の通夜
