日曜の昼に、久し振りに“接心うどん”を作って食べました。
修行道場では、毎月、一か月のうちに一週間、座禅強調週間ともいうべき週があります。それを大接心(おおぜっしん)と言い、その前後一週間ずつに小接心(こぜっしん)と言う週間が付随します。大接心の前の小接心を地取小接心(じどりこぜっしん)と言い、後の小接心を練返小接心(ねりかえしこぜっしん)と言います。地取小接心でまず大接心のための体調や意欲を整え、大接心で座禅専一の生活をし、終わった後の練返小接心で、大接心で得たものをさらに考え直します。
通常の大接心では、一日に座禅する時間は12時間ちょっとくらいでしょうか。当時の日記を見ますとだいたいそんな感じだと思われます。かなりきつい修行なのですが、その中にも楽しみがあり、それが接心うどんなのでした。
修行道場では、大接心中の夕食は、夏場は15時半くらいに、冬場は16時半くらいに食べます。その後は延々と0時まで座禅が続きますが、それではおなかも持ちませんので、21時半にうどん茶礼(うどんざれい)と言って、うどんをいただくことができます。三度の食事は食堂(じきどう)という場所に移動していただきますが、うどん茶礼だけは座禅をする禅堂で、座禅のままいただきます。普段、食事中には一切音を立ててはいけない、しゃべってもいけないという生活ですが、うどんだけは音を立てて食べてもかまわないということになっており、それだけでも開放感から美味しく感じられます。
接心うどんは、修行道場によっていろいろと種類があるようですが、天竜僧堂では、どんぶりに茹でたうどんを入れ、そこに、甘辛く煮た御揚げ、茹でたほうれん草、天かす、ねぎ、そして三日目と六日目だけは生卵を入れ、少しぬるめの出汁を入れて、うどんの量によってはさらにその上にうどんを足して、完成とします。私はいつも三玉くらい食べておりましたので、どんぶりの上に山のようにうどんが盛り上がることになり、崩れないように、かんざしのように箸を何本も差して、またそこに細切りの海苔もかけてもらっておりました。
音を立てて食べてもいい接心うどんですが、規則もありまして、それは
・汁の一滴、薬味のねぎの一片でさえ残してはいけない
・食べ終わったらまた座禅が続くので、急いで食べなくてはいけない
ということでした。一緒に座禅している老僧などはうどん半玉くらいの量でしたので、その方たちが食べ終わるまでに、こちらは三玉のうどんを食べます。もう噛まないで飲み込むだけですね。でもそれがまた美味しいのです。食べ終わった後はまた座禅ですが、まるで卵を飲み込んで、じっとして消化しているヘビにでもなったような心境でした。それでも30分も座禅していると、もうちょっと食べたかったなとか思ったものでした。
だいたい同じような体験をされている禅宗のお坊さんは、総じてうどん好きとなります。私も大好きですが、ぼちぼち体調的に、炭水化物の摂り過ぎは控えなくてはなりませんので、気を付けたいと思います。
接心うどん


