本日12月22日は冬至です。臨済宗の専門道場(修行の場)では、冬至の夜は冬夜(とうや)と言い、禅堂の本尊さまである聖僧(しょうそう)さま、つまり僧形の文殊菩薩像に目隠しをし、お酒を飲んで無礼講の大騒ぎをいたします。『雲水日記』という、昭和も初期のころの修行生活を絵日記風にまとめた本は、臨済宗のお坊さんが修行に行く前には情報収集のために、そして行った後には懐かしがって読む、とても有名な著作ですが、その中にも冬至冬夜の大騒ぎが記されています。
善信寺の先代が修行した福岡の円通僧堂では、必ず全部食べるという条件で、食べたい物をなんでも注文していいとされていたそうで、先代の同級の方は、牛肉1貫(約3.8キロ)と注文して、これをすべて一人でたいらげたそうです。また先代は皆が注文した物を手に入れる副随(ふずい)という役を毎年仰せつかっていたそうで、寺の檀家さんや信者さんのお宅をまわって、それぞれのリクエストを喜捨していただけないかお願いしてまわったそうです。
私が修行した天龍寺では演芸大会が催され、一人二芸くらいはご披露させられました。私は寸劇とちょっと古いですが「レッドスネークカモン」のへび役をさせていただき、酔っ払いながらもなんとか最後まで演じることができました。
今にして思いますと、日頃、すさまじいほどの厳しい修行生活があり、でも羽目を外すときには躊躇せず、徹底的に外す、ということも、禅宗の坊さんとしての大切な教育であったのかもしれません。





