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歳晩作務

 お寺は広いため、どうしても年末の大掃除、つまり歳晩作務が多くなります。そのためぼちぼちと11月くらいから大掃除を始めました。先日は暖かったので、お墓の掃除をし、弘法大師のお堂もきれいにしました。
 禅宗の寺になぜ弘法大師?と思われる方も多いかもしれません。文章で残っている訳ではなく、口伝ですが、江戸時代にお檀家さんが関西方面に旅行し、そのときに滋賀県か兵庫県、どちらかあたりから弘法さんの像を持ち帰ってくれたとか。それが今に残っております。先々代くらいのときにお化粧直しをしましたので、今はきれいに色がのっておりますが、少し前にはかなりくすんだ色で、見た目が少し恐ろしい感じがしたものでした。
 この弘法さんは、今は知りませんが、昔はお願いごとがかなうと近所では評判のお大師様で、お参りする方がひっきりなしであったとか。またいいお願いごとだけではなく、マイナスの感情を伝えた願者もいたようで、お堂のすぐ横に昔生えていた松の木には、わら人形が釘で打ち付けられていたこともあったとか。それは実際に母が、子どものころに見たことがあると言っておりました。
 まあそう言った呪いはともかく、せっかくご霊験あらたかな弘法さんですので、皆様もどうぞお参りを。その際には光明真言を七回唱えましょう。

 おん あぼぎゃべい るしゃのう まかもだれ まにはんどま じんばら はらばりたや うん

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