最初に表明いたしておきますと、私は改憲主義者です。
法律というものは人間が生きていく上で、お互いを尊重し、みんなが安全に生活を営んでいく上で必要な最低限のルールを明文化し、それをもって本来人間が持っている自由という権利を最低限制限する、というものだと思います。ですから極論すれば、完全に道徳というものが機能している社会では、もしかしたら法律は必要ないのかもしれません。
であれば、時代の変化とともに、最低限のルールは訂正されたり加筆されたりする必要が生じてくるのは当然ではないですか? 私はそう思います。
そこで憲法ですが、太平洋戦争終戦直後であれば、あの憲法はあるいは必要であったのかもしれません。でも戦後80年も経てば、国内外の諸情勢は大きく変わってきています。それなのに内容の改正検討も十分に行われないなんて、むしろ思考停止してしまっているのでは、とさえ思ってしまいます。
話がずれるかもしれません。ごめんなさい。
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教のように、宗教上、神との契約内容としてルールという物が位置づけられている社会ではともかく、仏教ではルールは人間より上位にはある物ではありません。社会をより良いものにしていくために必要なツールとしてルールがあると思いたいですね。
さて憲法改正では、具体的にはまず第一に自衛隊の明記。東日本大震災での対応等を見ても、いざというときに国民があれだけ頼りにできる巨大組織が、存在を認められているのかどうかもわからないようなあやふやな立場に据え置かれている現状は、決して見過ごすことはできません。
あとは憲法第89条の〔公の財産の用途制限〕というところも気になります。
〔公の財産の用途制限〕
第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
元私立幼稚園経営者としては、これがちょっと気になります。これによれば、私立学校への補助金は認められるのでしょうか? もちろん私立学校も教育基本法や学校教育法等の法規の下に運営されていますので、「公の支配に属していると言えるかもしれませんが、私立には、「建学の精神」や「私立の独自性」というものがあります。それに対して、公の支配を受けろとか言われると、ちょっと抵抗を感じてしまいますね。
また宗教上の組織は法律を守っていても補助してはだめなんですね。ここ数年、方広寺派の会議等で出てくる切実な議題は、本山の維持です。多数の文化財も有し、そもそも建物そのもの、敷地そのものも神聖な方広寺というものを維持していくためには莫大な費用がかかる訳ですが、それを負担している末寺とその檀家さんたちはその負担に今後、耐えうるのか…。どうでしょう? 現実社会の諸事情の推移によって、ルールは改定されるべきと思いませんか?


